久し振りの投稿です。今回はハッセルブラッド500CMです。私がこの道に入った頃は500Cの時代で今から50数年前になります。その頃は500Cも高価なカメラで私のような新米の作業員には触らせてまらえなかった憧れのカメラです。その数年後、今回の500CMが発売されました。機構的には、この時点で503シリーズに通じる優れた機構の機種になります。今回の作業はフルメンテナンス作業の為、全ての部品を取り外しておこないましたので作業工程のお話をさせて頂きます。今回は未整備状態のカメラですのでボディ内部に使用されてモルト類が劣化しておりますので全ての内部モルトの交換を致しました。モルトは大型ミラーの作動音の軽減とか光線漏れ防止。ミラー裏のモルト劣化のためファインダーピント精度が不足するとか諸々の障害が出ます。ファインダースクリーン取付台のアルミ材質の劣化により白い粉が吹き出てきておりますので分解清掃をおこない腐食防止処理を致しました。未整備品状態の為、ボディ側のマウント下側のシャッターセットキーに取付られているピンが2本出ておりますので誤作動防止のため1本を沈めました。500CM機種以降のモデルは1本になっております。内ボディの分離をおこない全ての部品を取り外して洗浄をおこないグリスの交換を致しました。組み立て後はフランジバック/ミラー角度/ファインダースクリーン等をを専用工具でおこない仕上がりです。お願い事と致しましてハッセルカメラの場合、レンズが取り外せないと言う故障が有りますが、時折、補助シャッターから奥のマイナス頭にドライバーを突っ込み回されるケースが有ります。充分に理解をされていて回される場合は良いのですが無理に回されて他の部品を破損させて高額修理になる可能性が有りますので回す事は厳禁です。取り外してもボディが悪いとかレンズの故障とかが有りますので取り外すだけでしたら専門業者の方にご相談下さい。


posted by ドクターK at 18:55|
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ドクターkの修理事例
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